カメラと技術と時々音楽

人生のバイブル「宮本から君へ」

10 月最初の土曜日に新宿のバルトナインで映画の宮本から君へをみた。頭の中をぐちゃぐちゃにされる作品だった。

原作の漫画をまだ読んでいなかったことと、出演陣の凄みとが相まって、ゲロを吐きそうになったりアドレナリンで震えが止まらなくなったりと、なかなかない体験をした。あと、めっちゃ疲れた。

映画を観て以来、感想がなかなかまとまらず、毎晩眠れない日々を過ごしている。一度考え始めてしまうと朝になってしまう。結局、自分はこの映画の何に感銘を受けたのか、が明文化できない。 

宮本の自己愛は自分にも通ずるところがあるが、あそこまで芯のあるものは自分にはない。あの躊躇なしの行動力も同様だ。結局、これらをある程度犠牲にしないと社会で円滑に生きていくことは難しい。そんな妥協の塊、中途半端な自分だからこそ、ブレない宮本を応援したくなるし、一層感情移入してしまうのだろうか。憧れなのか?

結局、彼は最初から最後まで自分のために奔走していた。あまりにも痛快で、カタルシスが得られ、クライマックスには涙が溢れてしまった。相手のことをひたすらに想うことだけが果たして愛なのだろうか。愛とは一体何なのだろうか。

物語もそうだけど、映画に関しては特に役者さんがいい。主演陣はあえて言うまでもないほどの凄まじい演技だったが、脇役もまた絶妙で、ピエール瀧の出演にゴーサインを出したスタッフの英断に乾杯だし、佐藤二朗の大野部長役には本当にイラッとさせられる、素晴らしい役回り。

ただ、諸手を挙げて万人におすすめできる作品かと言われれば全くもってそうではない。好き嫌いが大きく分かれるだろう。宮本に共感できるかどうか。なぜなら彼の言動は常軌を逸しているから、「宮本共感バイアス」みたいなものがないとフラストレーションしか溜まらないだろう。隣の席で観ていたカップルだって、彼女側は満足していたようだけど彼氏はというと「えぐかった…」とただただげんなりしていたから。

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