先日お伝えしましたが、ONKYOから昨年の冬に発売されたポタアンDAC-HA200のレビューです。
箱
しっかりと梱包。
ボディ
かなり頑丈。ONKYOの文字、重厚で黒光りする筐体、どれをとっても高級感があってオーディオ好きは満足できそうです。指紋も付きにくい。
SONYのPHA-1を意識した作りで、一応ボリュームが誤作動しないようにでっぱりが付いているもののあまり役立たないのが残念。ポケットから取り出す際などは普通に回る。
そんなボリュームの回し心地は良好。赤ラインのアクセントが付いているのもまたSONYっぽい(笑)
重さはそれなりにあるためスマホとくっつけるとずっしり。ただ、片手で十分持ち続けられるレベルだし一方で所有欲も満たされる。
バッテリーはそれなりに持ちます。すぐなくなるという印象ではないです。残りが少なくなると「POWER」のLEDが赤く点滅します。
充電はAC端子もしくはmicroUSB端子のどちらか。microUSB製品に溢れている昨今であれば困ることはないと思います。
音質
低音域はかなり低いところまで出て、まろやかかつ上品になる。
ただし音の立ち上がりは減少するため、勢いは下がる印象。よってテンポが高速な曲には合わないかもしれない。
中音域は立体感が増して、例えばギターの一音一音がさらに際立つようになった。
ただ、シンセ音などは強調されすぎて耳に刺さるときがある。人によってはイコライザで調整する必要があるかも。
高音域は自然。サ行やハイハットが強調されて痛くなることも特になく良好。ベールが一皮むけたような音となる。
接続
Androidとの接続は以下の2通りがあります。
AOA2.0を用いる方法
AOA2.0に対応している機種なら、ポタアンのUSB端子とAndroidのmicroUSB端子をケーブル1本で繋ぐだけで接続ができます。
ただし、この方法を用いると一部のAndroid機によっては以下のようなデメリットが生じます(私のSH-06Eなど)。
- AOA2.0の制約上、上限16bit/44.1kHzの再生しか対応できない(=ハイレゾ未対応)。
- ポタアンからAndroidへ強制的に給電が行われてしまう。しかもポタアンのバッテリーの減りが恐ろしく早く、1時間ほどで切れる。
- ポタアンのバッテリーが切れると、マナーモード関係なしにスマホのスピーカーから音が出る。
特に最後なんかは電車の中などでは致命的に思えるため、現実的な手段ではない。
ホストケーブルを用いる方法
Android+OTGケーブル+ポタアン利用時の給電機能停止 - 池と沼は同じだった
上の記事でも紹介しましたが、microUSB端子に特殊な細工を施した「OTGケーブル(ホストケーブル)」を用いることによってAOA2.0を介さないデータ転送が可能となります。さらにOTGケーブル端子の5Vピンを絶縁することによって給電機能を強制的に阻止させることもできます。上の記事ではセロテープを貼りつけて実現を図っています。
この方法を用いるとAOA2.0の制約に縛られることなく再生ができるため、ポタアンの上限の品質で再生ができます。ただ、現状はこの方法で再生できるプレイヤーアプリが限られているため、例えばLast.fmと連動させて音楽を聴くといったことはできません。→Android のバージョンアップにより解消されました。
まとめ
Androidに標準対応していることで話題を集めた機種ですが、実際のところAndroidの機種によっては対応していなかったり、使い物にならないことがあります(OTGケーブルを使う方法もあるが)。
よって、まずは自分のAndroid機種をつなげるとどうなるのかを店頭で確認することをお勧めします。もし給電なしだったら儲けもの。
また、ONKYO公式のプレイヤーアプリ「HF Player」は1月中に大きなアップデートが予定されており、DSD再生への対応やAndroid向けの内臓ドライバー(USB Audio Player Proと同じ機能)が導入されます。アンプとの親和性も高く作られていると予測されるので、こちらもぜひ。
オンキヨー「HF Player」アプリがリアルタイムDSD変換出力に対応。「Virtual FPGA」機能も - Phile-web
本記事では紹介していなかったが、iPhoneやiPodなどのiOSデバイスではAndroid以上の手軽さでハイレゾを再生できるので興味のある方はぜひ。
おまけ
スマホとの接続はこれ使ってます。OTGケーブルは数あれど、このような長さやL字のものは少ないです。
microUSB端子でも5Vピンを絶縁させればきちんと給電停止されます(不器用にはつらかった)。
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2015/02/20追記: 接続した画
付属のゴムバンドを利用してもいいんですが、どうしてもスマホの操作がし辛くなるので「超強力粘着ゴム」みたいなやつを買って、スマホのハードケースと接着させてます。「超強力(略)」はふつうにビックカメラのポタアンコーナーに売ってました。
このケースのいいところはスマホとの着脱が簡単であるため、たとえば2次元バーコードを読み込みたいときでも容易にサッと外してカメラを使える点です。
それでも結構飲み会とかでは注目されます。どちらかというと馬鹿にされることが多いですが(笑)、話のネタには結構使えますね。
2016/12/27追記: Android 最新版への対応
この機種は現時点で最新版のAndroid 7にももちろん対応です。また、OTGケーブルを用いた音楽再生のドライバが標準で搭載されるようになったため、ついに専用のソフトを介さずとも高品質な再生ができるようになりました。「給電させずに、好きなプレイヤーで、高音質な音楽を」、これぞ理想的な形が実現できました。手放す理由が見つかりません。