カメラと技術と時々音楽

音楽を聴いている 1

大学時代と比べると、2015 年に就職してからぐっと音楽を聴かなくなった。新しい音楽を発掘する気力がなかったのと、そもそも聴く時間がその頃はあまりなかった。せいぜい通勤時くらい。それゆえ音楽自体への興味も大学時代と比べると若干薄れていた気がする。

一方でここ最近は、仕事の集中力を高めるために積極的に音楽を聴いているのと、ストリーミングサービスの恩恵で新しい音楽が自動的にガンガン耳に入ってくることもあり、かつての勢いを取り戻すくらいに聴けている。

 

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年ごとの曲再生数のグラフ。Last.fm というサービスを 2006 年から使っていて、聴いた曲を記録している。今年は 7500 再生いけるかも。(それにしても 2012 年の暇具合たるや)

 

比較的音楽を聴いていた 2010 年頃。当時流行っていた Vaporwave という退廃的でパンクなジャンルがあって、自分もハマっていたクチだったのだけど、そこからトレンドは Saint Pepsi というアーティストを筆頭とする Future Funk という若干アゲアゲなジャンルに移っていき、一方の Vaporwave 自体はまるで蒸発したかのように一気に勢いを失ってしまった。Saint Pepsi はあまり自分の琴線には触れなかったので、このジャンル自体にそこまで興味を持たずにいた。その後上記のとおり 5 年くらい音楽を聴かない空白期間を経て今、音楽シーンの変遷をたどるように Future Funk も聴きなおしていたら、思いの外面白いことになっていた。

もともとは 80 年代くらいの J-POP を早回しして今風のディスコチューンに仕立てたのが Future Funk を乱暴に説明したものになるが、2015 年くらい? (適当) からは曲とは関係のないアニメの映像をつけたものが出回るようになった模様。これによってコアでマニアックだった Future Funk というジャンルの間口が大きく広がったのだと推測している。この後も徐々に世界で市民権を得て、今や山下達郎竹内まりやなどの日本のシティポップアーティストが世界で人気となっているのはご存知の方もいるかもしれない (言うまでもなく、彼らは Future Funk でサンプリングされた主たるアーティスト)。また、今日本の J-POP シーンでネオ・シティポップと呼ばれるリバイバルブームが巻き起こっているが、これも Future Funk が幾分か寄与していたとしたら面白いなぁと勝手に想像している。

 

個人的にグッときたのがロシアのトラックメーカー Greyl さんによる trendy 夜 greyled。


Greyl - trendy 夜 greyled

 

元ネタは Yun*chi さんの Trendy Night (2017) で、Future Funk のセオリー通りではない最近の曲になるんだけど、 Greyl さんのアレンジがキマリすぎていて素晴らしい。個人的にはなぜかとてもノスタルジックな気持ちになるのも良い。最近の曲なのに、既聴感というか子供の頃に聴いたことのあるような感覚に陥ってしまうのは、まさに Future Funk のノスタルジーが体現されているといってもよい。

 

ただまあこのようにアニメのいち部分を勝手に使っているので、わりかしグレーなジャンルでもある。Future Funk 系 YouTube チャンネルの雄である Artzie Music が、先月突然停止させられてしまったのは記憶に新しい。何が起きたかは下の記事が詳しいが、権利申し立てにより停止せざるを得なくなったとのこと。

 

www.vanpaugam.com

Future Funk 系の紹介記事で Artzie Music の動画を貼り付けていたものも多かったので、こういった動画が一斉にリンク切れになってしまったのは少し残念。↑ の trendy 夜 greyled もいつ停止されるかわからないが、こうしたジャンルの動画とは切っても切れない出来事であり、まさに親の Vaporwave から受け継いだような若干の儚さを感じる。

 

ともあれ、Future Funk という音楽も少しずつブームの収束に向かっているという記事をどこかで見た。今後このジャンルはどう派生していくのか、もしくは潰えてしまうのか、リアルタイムで追っていければと思っている。