背景
- 写真 (RAW) の保存先に現在外付け HDD を利用しているが、最近異音が気になってきた
- 写真がおじゃんになるのは嫌なので、どこかにバックアップしたい
- メジャーな選択肢としては、物理的なディスクを増築する or クラウド上のディスクを利用する の 2 択
- 前者を採用してしまうと、結局異音 (= 故障) の問題からは逃れられないので後者にしたい
- 最近発表された AWS の S3 Glacier Deep Archive を使うとどうなるか、机上でコストを試算してみた
現状の利用容量
22000 ファイルで約 500 GB。意外と少ない…
S3 Glacier Deep Archive の特徴
- ほとんどアクセスしない、けどとっておきたいデータを低コストで保存できる
- 必要になったら 12 時間以内にデータを取り出せる
- データは 3 箇所以上にまたがって保存されるため、理論上はデータのロストが発生しえない
まさに写真 (RAW) のような、マスターデータを保管するのに最適。
料金
や、やすい…
アップロード時にかかる料金 (初回のみ)
22000 ファイル / 1000 リクエスト * 0.05 = 1.1 USD (約 120 円)
毎月かかる料金
- ストレージ料金 0.00099USD/GB (米国リージョン)
500 GB * 0.00099 = 0.495 USD (約 55 円)
備考: ダウンロード時にかかる料金
- データ取り出し 大容量 0.0025USD/GB
- データ取り出しリクエスト (大容量) 1,000 リクエストあたり 0.10USD
- Amazon S3 からインターネットへのデータ転送(アウト)0.09USD/GB (月約 10 TB まで)
全ファイルを単純にダウンロードするとして、
500 GB * (0.0025 + 0.09) + 22000 ファイル / 1000 リクエスト * 0.10 = 48.45 USD (約 5500 円)
。少し割高に感じるが、そもそもダウンロードするときはイレギュラーな場面、それこそ HDD がぶっ壊れたときなどだから、基本的には発生しないと思ってよい。
まとめ
120 円かけて一度アップロードしてしまえば、 55 円/月 で運用できることがわかった。万が一データが欲しくなっても 5500 円払うだけで復活できる。
ハードディスクなどの物理メディアを運用していく場合と比べて、
- 経年劣化に伴う機器の故障
- 災害による物理的な機器の破損
- 機器の盗難・紛失
- 機器の電気代
などを考えなくてよくなるのは大きい。一方、クラウドサービスゆえの心配 (サービス終了、値上げ、不正アクセスなど) もあるので一長一短だが、とりあえずアップロードして運用する (= ダウンロードしない) 限りは大きな痛手にはならないので、やってみる価値がありそう。